森﨑 社長
僕と田原常務は小中の先輩後輩関係。僕らは地元がここ茶山なんだよね。この会社は、最初は僕一人で。会社を立ち上げて2、3ヶ月した頃、たまたま電話をくれたのがきっかけだった。「先輩なんしよんすか」って言うから「茶山で会社始めたんよ」と。そしたら「オレ暇だから手伝いにいきますよ」って。それが始まり(笑)。
田原 常務
僕は23歳くらいからずっと東京にいて、証券会社やFXの会社で役員をやっていた。それらを辞めて顧問になって福岡に戻っていた時だったんです。森﨑さんには、自分が18、19歳の頃、仕事を紹介してもらったり、助けてもらった縁もあって。何か役に立てるなら……という気持ちがありましたね。
森﨑 社長
当時の僕は、グループ会社の企画で始まったお店を会長から任されていた。でも僕には全然分からないジャンルで……企画書作りから相談してたよね。
田原 常務
パンと雑貨を売るお店でしたよね。福岡の有名な某スイーツ屋さんと提携してね。
森﨑 社長
そうだったね。その店舗運営と並行しながら、グループ会社の本体がやっていた携帯アクセサリーの卸しの手伝いもしてくれて。
森﨑 社長
月1回、週1回のペースで顔を出してもらっていたんだけど、ある時『キャナルシティ博多』で期間限定の催事店舗を出す話がきて、これは良い話だと思って「本腰入れて手伝ってほしい」ってお願いした。で、スマートフォンのアクセサリーを2,000アイテムくらい並べるお店を作った。今の前身だね。
田原 常務
思った以上に売れて、結果的に好評だったから、今度は『リバーウォーク北九州』に常設出店のオファーをもらったんですよね。
森﨑 社長
この『リバーウォーク北九州』の店舗の時は、もうほんとに右も左も分からず大変だった。3月8日オープンなのに、前日7日の夜の時点で、まだ内装も完成していない状態で(笑)。その日の21時頃、僕は熊本出張から会社に戻ってきたんだけど「北九州がオープンできない」って話を聞いて急いで現地入りしてね。田原常務と僕と内装業者で夜中の0時から値札張りして、なんとか10時オープンにこぎつけた。それが1店舗目。
田原 常務
それから同じ月の27日に2店舗目を『イオンモール大牟田』に。
森﨑 社長
初店舗の3週間後に2店舗目を出すこの話は、僕が2月下旬にもらってきた。「やろうと思ってる」って田原常務に話したら「なに馬鹿なこと言うてるんですか」って。まあそりゃそうだよね(笑)。
田原 常務
まだ初店舗の準備に取りかかった時でしたからね(笑)。
森﨑 社長
でも僕は「これはやらないかんやん」って。あの時一回きりだよね。僕らふたりが揉めたっていうか、ギスギスしたのは(笑)。「やりゃあいいんでしょ、やりゃあ」「おう!やってよ、頼むよ!」って進んでいったね。
田原 常務
そうして翌4月に3店舗目を始めて……1年で8店舗オープンした。そんな店舗数も今は40店以上。次は飲食ですね。
森﨑 社長
天ぷら屋だね。
田原 常務
僕は『3つの100』の「100店舗」という店舗数は、天ぷら屋で稼いでもいいと思ってますよ。コミットしてるのは「100憶の売上」と「100店舗」だから、その数字をどう集めてこようと「コミットに変わりはない」っていうロジックが僕にはある。
森﨑 社長
(笑)。僕はスマホアクセサリーの店舗でそのままいくんかなと思ってるけどね。
田原 常務
僕らは最初ハイペースだった。1年で8店舗、2年で20店舗。その後は煽りを食らって、いっときは店舗が出せない時期……地固めが必要な時期もあった。そしてまたお店を少しずつ増やせるようになってまた停滞して、とそれを繰り返してきて今がある。
森﨑 社長
僕らの会社は今ちょうど10年。自信もついてきた。ほかのことにも余力を使えるかなというタイミングでもある。世の中も、何がどうだからこうじゃなきゃいけないとか、そんなことにこだわって生き残れるご時世でもない。柔軟性を必要としてる。
田原 常務
どんな大きな会社も、最初に始めた業種だけをずーっと変わらずやっている会社ってほとんどないですよね。環境や状況に応じて変化していって、企業体として大きくなっていく。そうやって変わっていって然るべきと思ってる。僕らは扱うものにこだわりがあるわけじゃない。
森﨑 社長
「スマホが好きだから」「アクセサリーが好きだから」でやってるとは思ってないよね。「ビジネスとしてどうなのか」っていうジャッジで選んでる。天ぷら屋だってそう。今、そこにビジネスチャンスがあると踏んでるからこそ、面白そうなんだよね。
田原 常務
そういう同じ肌感覚で「一緒にビジネスをしたい人」と出会いたいですね。何をやるかより誰とやるかだったり、やるんだったらこうなりたいとか。
森﨑 社長
そうだね。「俺こんなことやってみたいんですよね」というフロンティアスピリットを持っている人間がいたほうが、面白いと思う。今いるメンバーにも期待していることだね。
田原 常務
自分のことだと思ってやってくれる人に来てほしいと、僕は思いますね。例えば、自分の資金で始めたお店だったら、こだわること、改善していくこと……1円も無駄にしたくないとか、少しでも多く稼ぐぞとか、必死になってやることって絶対あると思うから。
森﨑 社長
そうだね。新しく出会う仲間とは、過去の経験やスキルよりも、これからどうなりたいのかってところを話したいね。
田原 常務
僕ら経営陣がどんな目線でいるかも伝えたい。僕らはとにかく会社を潰しちゃいけないという責任がある。ここで働く人とその家族を抱えている。だからこそ、こだわることは“形”じゃない。豪華絢爛な客船をイメージして出港したけど、海に出てみたら、軍用艦のような装備が必要だとか、そういう変貌は当然ある。
田原 常務
それを一緒に感じながら「どうしていこうか?」と考えていける人が来てくれたら……楽しませてあげる自信はありますね。
森﨑 社長
業界でトップを取ったり、新しい業態を展開してあげたり……そんな、どこにもないものをうちの会社でみんなに見せてあげたいんだよね。「自分がいる組織はすごいぞ」と感じることで、会社を好きになってもらえたら嬉しい。ひとりじゃ見られない未来図を見せてあげたら「そんなことも目指せるのか!」って目覚める人もいると思う。
田原 常務
例えば将来、店舗展開したいとか、大きな取引のバイヤーをしたいと思っている若者がいたとして。今現状、大手でそれをやってる会社に飛び込んで、何ができるのか?
森﨑 社長
難しいよね。任せてもらえるまでに何年もかかる。
田原 常務
でもうちの会社だったら、僕らと直接やり取りしながら、店舗拡大したり、事業を始めたりできる。それも人のお金で(笑)。これを“オイシイ条件”だと思える人に来てほしい。
森﨑 社長
「いつか何かしたい」と、それを「ゼロからやろう」と思ってるんだったら、まずうちで勝負してみたらいい。ここで経験を積んで、キャリアを作る。自分で作った資金でやるつもりで取り組んだら、ものすごく良い修行になるはずだと思うね。
田原 常務
そうですね。自分はどうありたいのか、そのイメージを持って突き進めたら楽しいはず。どんな会社も、必ず小さな会社の時期があった。走り出したばかりの時があった。未来にどうなれるかは、今この瞬間をどう過ごすかだけだということを、実践しながら味わってほしいですね。
森﨑 社長
そのとおりだね。うちの会社のこれからは、きっと面白いと思うよ。